「新日本ワイン物語」パネリスト・安蔵光弘さん
シャトー・メルシャンのチーフワインメーカーとして、ワイン醸造の全体を取り仕切る安蔵光弘さん。製造責任者としてワイナリーやブドウ園の現場に立つ一方、ワイン愛好者と触れ合うため、ワインフェア等にも積極的に参加。今月13日から東京日比谷公園で開催される「第4回日本ワインMATURI祭」のブースにも姿を見せる予定だ。
同社がワイン造りに掲げるポリシーが「フィネス&エレガンス(調和のとれた上品な味わい)」。安蔵さんは、フィネスとはブドウの個性であり、ワインの基本は土地が育んだその個性を大切にして、それを活かせばテロワール(土地、風土)やフィネスが自然と醸しだされると考えている。理想とするワインは「高級なワインとデイリーなワイン」の二つ。前者は日本のテロワールが表現され、完成度において飲んだ人がすごいと思えるもの。後者は家族との食事の中で自然とグラスを口に運んで、気が付くとボトルが空になっているような完成度の高いものだという。
若草もえる季節はブドウの芽吹きも盛んになる頃。今年は例年より桜の開花が早かったことから、ブドウ園の剪定作業は何時になく忙しいよう。シャトー・メルシャンでも、天候の変化を睨みながら春から夏にかけては同園での多くの作業が続く。さて、安蔵さんは2018年産のワインにどんな思いを込めるのでしょうか。
なお、安蔵さんには2005年まで4年間の仏ボルドー滞在をまとめた「等身大のボルドーワイン」(発行:醸造産業新聞社)という著作も。日常の生活から現地の醸造作業、醸造学部の留学体験、同ワインの歴史等を平易な言葉で綴っており、世界一の名醸地ボルドーの現状や沿革を知るにはうってつけの本です。現在は絶版のようなので、お近くの図書館でどうぞ。
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